私はエレベーターの設置及び
点検をやってる会社の者です。

都内某所にあるやや古めのマンションなんですが、
私はそこのマンションに

定期的に点検に行く係りになっていました。

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通常4人で作業を行うのですが、
その日は1人風邪で休んだので3人で行いました。

入り口で管理人のじーさんに挨拶をし、
エレベーターの入り口に立ち入り禁止の

ポールを立てて作業を行いました。

点検は2時間ほどで終了し、
工具などは他の社員が片づけていました。

私は最後にエレベーターの動作確認で1人で乗り込み、
1階と12階(そこの
マンションは12階まで) 
を3往復する予定でした。


さて、いざ点検で乗ろうとした時です、
ドアの外から「あ!」という声が聞こえて
来ました。

私は誰か乗ろうとしてるのかな?と思い、
閉じかけたドアを一旦開け、
現在
作業中である事を
伝えようと思ったのですが、誰もいません。

おかしいな・・空耳かなと思って、再度ドアを閉じました。

 

1階から12階までのボタンを全て押し、
列車の各駅停車のように各フロアに
停まって行きます。

さて・・ 5階で停まり、ドアが開いた時です、
なんか自分の後ろからふわ~っと
した風を感じました。

そう、人が自分の隣を通り過ぎると微風を感じますよね? 
まさしくそんな
感じでした。


で、私は閉のボタン目を落とし、閉のボタンを押しました。

そしてドアが閉まりかけた時です。

(このエレベーターは左右に開く構造)

あと10センチくらいで閉まろうかと言うとき、
そのドアとドアの隙間から

はっきりと私の方を見て笑ってる
若い女性の顔を見たんです。


ドアの向こうじゃないです。

もうドアに顔がつくか付かないかくらいの距離で、
にや~っと笑ってる若い

女性の顔。。。

 

私はもう怖くなって次の6階で降り、
駆け足で1階まで降りました。

下で待ってる他の社員に
どう説明しようか迷ったのですが、
見たまんまを
言ったら失笑されてしまいましたが、
でも、私ははっきり見たんです。

 

私はもうそこの点検から外してもらうよう、
上司に頼んだところ、
私の顔をじーっと見つめ、
「そうか、わかった、じゃぁ次からどこどこにビル頼む」

と、それだけでした。

あまりに素っ気ないので 
理由は聞かないのかと訪ねたところ、

「見たんだろ?」と、だけ。。

 

ゴルァ!分ってんなら先に言えよこのやろーー!
とは言いませんでしたがね。

おわり。


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