五年前、諏訪湖に旅行にいったときの思い出。 

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中のいい友人数人といったんだけれど、
カメラを持ってるのがおれだけだった
のね。
で、体よくカメラマン扱いされて、
フィルム五本ぐらいかな、とりまく
った。


旅行から帰って、次の休みのときに、
いっしょにいった友人のひとりと、
フィ
ルム現像して、整理してたんさ。
心霊写真が写ってんじゃないのーとかいいな
がら。
ま、騒ぎまくってた賑やかな旅行だったし、
心霊スポットなんて立ち寄
りもしなかったんで、
何もないだろうと信じてた。



が……いっしょにフィルムを整理してた友達が、
一枚の写真もったまま凍りつ
いてんのよ。
顔なんか真っ青で。

当然、「あーきたな」って感じで、
「演技すんなよ、クセえなっ」とかいいな
がら、
その写真とりあげてみたのね。


そしたら何のことはない風景写真で、
生首も浮遊霊も写ってやしねぇ(w。

びびらせんじゃねぇよっていったら、
その友人が写真をよく見てみろっていう
のね。


諏訪湖の近くの売店の近くでうつした一枚。
売店の周辺に客がわらわら。

いっしょにいった女の子が、
カメラに横顔向けてうつってる。
誰かと喋ってる
感じ。
たぶん、画面の外にいる、ボーイフレンドだろう。


もうひとり、ぼくがうつってた。
売店のレジのところに、ちょっとだけうつっ
てる。

「この写真がなんだよ。つまんない演技すんなよ」

「なにが演技なんだよ! その写真よく見てみろよ!」

みたいなやりとりが数回あって、
写真をよくながめて……やっと気づいた。


レジのところにいる、おれ。

売店でフィルム買って、フィルム入れ替えてる最中なんだ。

フィルム入れてるのは、当然、この写真を写したカメラ。

ちなみに、誰かが他にカメラをもっていた様子はなかったし、
あったとして
も、カメラ屋さんから直行で
フィルム現像してもってかえってきたわけだか
ら、
混ざるわけがない。


はっきりいって、ふつうの心霊写真より怖かった。

怖がる友人に、その写真とネガをもたせて、
むりやり帰らせたけどね。


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