もう10年くらい前の話しかな。俺は大学生で一人暮らしをしていた。 
大学の4年間同じマンションに住んでた。そのマンションは4階建てでその4階に住んでいた。 
で、ある日4階の廊下の先に梯子があってその梯子を昇ると屋上に行けることを発見したんだ。 

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俺は屋上の空間を気に入ってて、たまにひっそりと屋上に上って自由な気分を満喫していた。 
いや何をしていたわけでもないんだけど、周りの風景を眺めたりとか、 
星空を見上げたりとか、弁当を持ち込んで食べてたりしていた。秘密基地みたいだった。 

そんなある日、目撃してしまったんだ… 




ある日、時刻は深夜。昼寝のしすぎでなかなか眠れない俺は屋上に上った。 
周りにそれほど高い建物もなく、街灯もあったから360度の景色を見渡してた。 
深夜の静寂とした景色。寝静まった町。 
そして偶然あの光景を見た。 

うちのマンションから距離にして200メートルくらいかな?に2階建てのぼろアパートがあるんだけど、 
そのアパートがちょうどこちらに向かって建ってた。 

そして、そのアパートの2階の一番奥の部屋から順に、一人の男が体を斜めに曲げて 
部屋のドアに付いている郵便受けから部屋の中を覗いて回っていたんだ。 
物音を立てずに、素早い動作で。 


男は2階の部屋を一つ一つ順番に覗いて回った。 
そして一階に移ろうと階段を下りようとした。 
やばいっ!本能的にそう感じた。もし気付かれたら絶対にやばい! 

俺は咄嗟に身をひるがえすように屋上に腹ばいに伏せた。 
へたれな俺はそのまま動けなかった。 
しばらくして、でもどうしても気になったので少しだけ頭を上げてみると、 
男はそのぼろアパートを離れてこちらの方向に小走りで動いていた。 

うっ。 
おい冗談じゃないぞ。見られてないはずっ、見られてないはずっ…俺は高い位置にいるから普通気が付かないはず… 
もう祈るような気持ちで、そして金縛りにあったように俺はぴくりとも動くことができなくなっていた。 


そして、時間にして1時間くらいだろうか、じっとしたままあれこれ考えていた俺は 
結局そのままそこで寝てしまったみたいで、気が付いたら朝になっていた。 

今になっても思う。 
あの男はいったい何だったんだろうか? 
うちのマンションにも来たんだろうか? 
毎晩ああした光景が繰り広げられているのだろうか? 

そしてその日の朝、俺は気にも止めていなかったことに気付きました。 
あの夜、屋上に上がった時、ちょっと夜風に当たるつもりだったので 
俺は自分の部屋に鍵なんて掛けていなかったことに… 


 
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