俺の兄貴はちょっと変わってる。
昔から真面目な顔して俺に呪いとか祟りの話をしてくる。
怖がりな俺はよく泣かされた…。
しかし結構顔はいいのに、空気が読めずマイペースな兄貴は次第にいじめられるようになっていってた。
あ、兄貴が中学生の頃ね。


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そしたら毎晩いじめっ子を呪ってくるといって出かけるようになっていった。
俺には毎晩わざわざ口止めして、「誰かに言うと呪いがお前に返ってくるぞ」とか脅してた。
なんで俺に返ってくるんだよ…兄貴が呪ってるんじゃねーか。と今なら思うが、当時はただただガクブルしてた。





そしたらいじめっ子の兄が乗ってたバイクが燃えた。
燃えたというか、燃やされたんだけど、当時は兄貴の呪いで燃えたと思ってた。
よく考えるといじめっ子は無傷だし、呪い関係無い。
しかし、兄貴は呪いでバイクを燃やしたっていじめっ子に堂々と宣言してた。
それで、いじめっ子の兄がその話を聞きつけて兄貴を呼び出して問いただしたらしい。
そりゃ、自分のバイクが燃やされて、自分の弟の同級生が「燃やした!」とか言ってたら確かめたくなるわな…。

兄貴は、いじめっ子の兄に対して悪びれもせず、「いじめっ子のいじめを止めさせるために毎日呪った、呪いの影響でそのバイクが燃えた、まだ呪いは終わっていない」って言ったらしい。
ちなみにどこ(近所の神社)でどう呪っているかも事細かに説明したそうだ。バラしていいのかよ…。

いじめっ子の兄は呆れると同時に、自身の弟がいじめをしてたことに驚いたみたい。
それでいじめっ子を叱り飛ばしていじめを止めさせて、兄貴にも呪いを止めるよう言ったそうだ。
帰ってきて兄貴が↑全部教えてくれたけど、呪いのおかげでいじめが無くなったと堂々と俺に自慢してきてて、おかげで俺はその頃から別の意味で「兄貴ってスゲエ」って思うようになってしまった…。


ちなみに、バイクを燃やしたヤツはその後捕まってた。
いじめっ子は、何故かいじめを止めた後に階段から落ちて骨折したり財布を盗まれたり散々な目にあったらしい。
兄貴はそのことを嬉しそうに俺に話してたんだけど、偶然なのか兄貴の工作なのかそれとも呪いだったのか、10年以上経った今でも分からない。
もう30にもなるのに、いまだに数年に1度はいじめっ子がどんな目に遭ったか嬉しそうに報告してくるから、怖くて聞けない…。



 
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