137 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 00:38:23 ID:v636FY7y0

俺の実家、岩手県のとある地方なんだけどさ、毎年帰省するんだけどね。
よく田舎って、『本家』みたいなのがあるのは分かるかな?
その一族の本家っていうかさ、要は親戚縁者を統括する家みたいなの。
血筋の出所って言えば適切かな。まぁそういうのがあるんだわ。
その本家はね、三百年くらい歴史がある、その土地の権力血筋だったんだ。
あまり詳しくは書けないけど、立派な造りなんだよ。ボロっちいけどね。






その本家で俺がまだ当時小学生だった時、夏だったかな、
大人達が囲炉裏のあったっていう(今はない)部屋で、何かゴソゴソ話してるの。
もちろん俺といとこは気になっちゃって、こっそり盗み聞きしようとしたんだ。
大人達っていうのは親戚のオサーンとか、俺のじいちゃんとか、そこら辺の親戚の人間ね。
田舎はコミューンが小さいから、結構血が繋がってるんだ。人口少ないし。
「…どうすん…部屋…」
「空いて…近づくしかね…閉め…」
みたいなこと話してたんだ。あまりよく聞こえなかったんだけどさ。
まぁ盗み聞きはソッコーでバレたんだが、親戚のオサーンが、
「おめら、何もきぃてねぇべな!!きぃてねぇべな!!」って、凄い剣幕で俺らに言ってきたんだ。
いつもは超優しいオサーンだったもんだから、その形相に俺らはビックリしちゃって、
「何も聞いてない」って言ったの。
そしたら、オサーンはいつもの優しいオサーンに戻って、
「そうか…」って肩をなでおろしていたのを、今でもハッキリ覚えてる。


151 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 00:58:23 ID:v636FY7y0
時期はお盆でした。
風習も面白いところなんだが、俺らガキは大人達から、
「お盆の海では絶対にお酔いじゃダメだぞ」みたいな事をいつも言われてた。
まぁシカトして泳いでたし、そういった霊体験みたいのは何もなかったから、全然平気だったんだけどさ。
まぁよく言う、海で泳ぐのは危険だから、お盆特有の霊現象みたいなので、
子供を海へ近づかせない常套句だったんだろね。
これは全国各地である話だよね。

話がちょっと脱線したけど、いつもの夏通りに海へ出かけて釣りしてたの。
釣りへ出かけて楽しんでるとさ、釣りへいつも連れて行ってくれてる親戚のオサーンが元気ないんだわ。
さすがにガキながら心配になり、「どうしたの?」みたいな感じの事を言ったんだ。
そしたらオサーンは、「どうもしねから、どうもしねから」って、上の空みたいな返事しかしない。
この時点で今ならかなり怪しいと思えたんだが、なにぶん、当時は小学生のガキだったもんで、
そこまで気にせず釣りを楽しんでたんだよね。

俺らは釣りにすごくハマってて、夜釣りもしてたんだけど、
いつも通りオサーンに、「夜釣りに連れて行ってくれ」って、俺らは夕方くらいに頼んだの。
オサーンは何故かかなり拒否して、「今日はやめとくべ」って言ってきたんだ。
いつもはね、「あべ、あべ」(←行こう。の方言だよ)って自分から言ってくる人なんだけど、
何故かかたくなに拒否されたんだ。
もうこの時は、確か盆の入り直後だった思う。
不思議だなと思ったんだけど、俺らはコッソリ夜釣りに黙って出かけちゃったんだよね。


207 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 01:50:10 ID:v636FY7y0
夜釣りを楽しんでるとさ、いとこの一人が俺に言ってきたんだ。
「A(俺)、何かあっちさ人たってねは?」
あっちって方向を指差したのは海のど真ん中。
コの字型の岸壁のど真ん中で、確かに人らしきのが海の上に立ってるの。
最初は、舟の上で漁師のオサーンが何かしてるんだろうなって思ったけど、そんな気配はない。つーか、舟がない。
きっと幽霊だと思って、なんか俺らは怖がらずに、逆にテンションあがってワイワイやってたんですよ…。
アホだ…。

そしたら、オサーンとじいちゃんとかが、俺らが釣りしていた岸壁にかなり飛ばして来た。
俺ら見つかって、オサーンとじいちゃんにかなりその後しぼられたんだ。
車の中で「何か見たか?何か見てねぇべ!?」って言われてさ、
俺らはその幽霊らしきのを見たとは言わず、また事実を隠しちゃったの。
そしたら、また大人達が肩をなでおろしたのが、マジで印象的だった。

車の中で本家に帰る途中、ずっと大人達は無言だったんだ。
俺らはそれに不思議がったんだけど、俺は勝手に釣りに出かけたら怒ってるんだろうなって思ってた。

家に着くと、大慌てで婆ちゃんが俺らんとこに来て、
「何も見なかったべな!!何も見なかったべな!!」って、オサーンと同じ事を言ったのよ。
で、まぁ「見てない」みたいな事を言ったら、婆ちゃんフラフラ~って崩れ落ちて泣き出した。
悪いことしたなぁって反省したんだが、何がそこまで大人達をさせるのかなって気になったんだよね。
すぐ後に婆ちゃんが「くわっせ、うまかっつぉ」って言ってくれて、夕顔の煮たのを出してくれた。
郷土料理だよ、美味しいよ。
いつもの婆ちゃんに戻ってたね。さっきのテンパってた婆ちゃんじゃなくて。
だからなおさら気になったんだよね。


209 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 01:50:42 ID:v636FY7y0
夕顔食いながらさ、ふと気になってたから聞いちゃったんだよね。
「何か部屋が開くだの閉めるだのみたいなのを、この間話してたでしょ~」みたいな感じで。
そしたらまた空気が変わっちゃってさ、
婆ちゃん泣き出す、オサーンはテンパる、爺ちゃんは電話しだす、オヤジ&おかんはうなだれる、みたいな感じにね。
俺らはさすがに怖くなって、二人とも泣いちゃった。
阿鼻叫喚とはまさにこの事…

で、オサーンに別の部屋に連れて行かれてね、盆棚がある部屋なんだけどさ、そこで10分くらい拝まされて、
「今日は寝ろは…」って言われたんだけど、気になって寝れない。
まだ婆ちゃん泣いてるし、近所から人来るしさ、寝れるわけねーだろみたいな場だったんですよ。
まぁ寝たんだがw

朝起きたらいつも通りの朝で、取り合えず一安心。けど、爺ちゃんは難しそうな顔をしたままだった。
起きてソッコーで寺に連れて行かれて、剣舞(字は合ってるか分からん)を見せられた。
ケンバイっていうのは、何か背中に旗さして踊ってる、よくわからんもの。
この地域では、子ども会みたいなのに入ってるヤツらが踊ってるの。
学校の帰りとかに公民館みたいなところに寄って、夏に踊る為に練習してるんです。俺はやらんかった。
見せられた後に、寺の本堂の中に連れて行かれて、坊さんに長々とお経をあげられた。
以降は爺ちゃんとオサーン、坊さんの会話ね。うる覚えだからあれだけどさ…。
あと、方言が意味不明だと思うので、訳して書きます。
爺ちゃんをJ、オサーンをO、坊さんをBとします。

O「何も見てなかったって言ってました」
B「だとしたら安心だけど油断は出来ないな」
O「こっちはこっちで何とか出来るとは思うんですが」
B「じゃあ、T(本家の屋号)に行くから」
J「お願いします」

みたいな感じ。もっと沢山話してたんだけど、こんな感じでした。


245 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 02:24:48 ID:v636FY7y0
で、爺ちゃんが俺にね、話してきたの。
俺の言葉で話しちゃうから、この通りに話していた訳じゃないけどね。
内容的にはこんな感じでした。

「お前は、この家の造りはだいたいわかるだろ?部屋が何個ある?
 その部屋で物置にしてる部屋があるだろ?その部屋の奥に襖があるだろ。
 そこには昔から『近づくな』とは言われてたと思うけどな、そこの襖がちょっとだけ開いたんだ。最近。
 そこにはな、錆びた槍の先がしまわれてるところなんだ」

本家の部屋は8つくらいあって、縁側が2こある不思議なつくりなんだけどね、
俺が本当に小さい時から言われてたのが、「裏の縁側に回るな」ってことと、「物置の部屋には行くな」って事。
まぁ物置にしてる部屋なんて、確かに暗がりで薄気味悪いから行かなかったんだけどさ、そうやって言われてたの。
その奥に襖があるのはなんとなーくは知ってたんだけど、その前には荷物やら何やらが山のように置かれてたから、
行くにも行けないようになってたんだよね。
俺は薄気味悪いから、物置部屋には近づきもしなかったし、そんな襖のことはどうでもいいと思ってた。
今これ書きながら考えると、あの荷物群は絶対に意図的なものだったんだろうなって思う。

で、また爺ちゃんが、
「その槍の先はな、爺ちゃんの爺ちゃんの(ry のな、ずっと昔からあるもんなんだ。
 爺ちゃんもな、前から『あれは近づいても見てもダメだ』って、お前くらいの時には言われてたんだけどな。
 近づくなって理由は定かではないけど、爺ちゃんが爺ちゃんから聞いた話だとな、
 あの槍は昔、ここで飢饉があった時に、あの槍でみんなどんどん死んでいったんだ。
 何であの槍で自殺したのかは分からないけど、そうやって爺ちゃんは聞かされた。
 聞かされたのは、お前よりもっと大人になってからのことだったんだけどな。実際はどうかは分からん」


248 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 02:26:04 ID:v636FY7y0
「その槍は、昔からこの家が預かることになっていてな。
 お前もわかるだろ。ここら辺で中心的な家がここだってことくらい。だから、その槍の先を預かってるんだ。
 押入れの中に、ただ槍の先がコロンって転がってるだけなんだが、本当に危ないものなんだよ。
 襖にはおまじないがしてあって、開かないようになってるんだ。
 もちろん、こっちから開ける事は御祓い(?)の時以外は絶対にないからな。
 お前も見たことあるだろ。坊さんがたまに来て物置部屋に入っていくの。あれは御祓いをしていたんだよ。
 お前ら『子供には見せちゃダメだ』って、坊さんから言われてたしな。
 お前も坊さんから、爺ちゃんやオサーンから言われた通りなことを、そのまま言われたことあるだろ?
 『物置部屋には近づくな』って。
 けど、いい子だったよ、お前は。ちゃんと近づかなかったしな。
 お前の父ちゃんは悪がきだったから、子供の頃近づいて襖付近まで行ってしまって、その後大変だったんだ。
 とにかく、大変なものが入ってるんだよ。そっから先は婆ちゃんに聞け」

のような事を言われて、何か気分がさすがに悪くなっちゃってね。
婆ちゃんに聞く気にもなれずに、割と放心状態でした。ガキながらに流石にこれは怖かった。
けど、婆ちゃんが聞きたくもないのにこっちに来てさ、言うんだよね。
また俺の言葉による、内容のまとめになっちゃうけど…。


279 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 03:05:03 ID:v636FY7y0
「その飢饉ではな、いっぱい人が死んだし、自殺もしたし、とにかく楽になりたかったんだ。
 天国に行って、のんびりしたかったんだ。
 けど、本当はもっと婆ちゃん達みたいに、もっと長生きしたかったんだと思う。
 だからお前も、ちゃんと食べられる事に感謝して、毎日元気にしてなきゃいけない。
 嘘もつかずに、真面目に生きなきゃダメだぞ。嘘つきはダメ。
 女の人も子供も、その飢饉では沢山死んだんだ」

俺は夜釣りで幽霊らしきのを見たって、ハッキリ言おうと思ってさ、
「海の上に人立ってた」って言ったんだよね。
二人はこの前みたいにテンパらずに、「やっぱりな…」って言った。
俺は怖くなっちゃって、ガクガク震えちゃったんだけど、
婆ちゃんが「大丈夫大丈夫、婆ちゃんついてるから…」って言ってくれた。
けど婆ちゃんは実際、かなり不安そうな顔をしてた。
爺ちゃんは「お寺に行ってくる」って言って出かけていったんだ。

で、坊さんが来たのは、その話を聞いた次の日だったと思う。いや、思い出した。次の日だったわ。
初めて俺はその時に、襖付近へ行く事を許されたんだけど、
荷物群を全部取っ払って、何か棚の準備をしたのを手伝わされた。
ちょっとしたお寺の拝む棚みたいなのを、作るのを手伝わされた。

坊さんはあちこちをブツブツ何か言いながら歩いてね、その棚の前に行くとお経を上げ始めて、
俺は出て行くように言われた。
襖はたしかに、ほんの10cmくらい開いてた。

1時間後くらいだったと思う。
坊さんが部屋から出てきて、その間に親戚がみんな集まってて、近所の人も来ていてね。
何かみんなで拝んで、また剣舞見てその日が終わった。


280 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 03:05:35 ID:v636FY7y0
坊さんがさ、俺に言ってきたんだけど、
「たぶん、今日はちょっとだけビックリする事が起きるかもしれない。
 けど、大丈夫だから。たとえそれが起きたとしても、そのままそこにいなさい。
 もう大丈夫だから、何が起きてもその場を離れちゃダメだよ」
って言われたの。俺は素直に「ハイ」って答えました。夜釣りも行く気になれなかった。

その後に坊さんは、オサーンや爺ちゃんに話してた。
オサーンが坊さんに、
「大丈夫なんでしょうか。アイツは大丈夫なんでしょうか。心配です」みたいな事を言っていたんだけど、
坊さんは「大丈夫、その場を離れなければ」って言ってた。

案の定、爺ちゃんやオサーンに俺は念押しされて、坊さんからの言付けを必ず守るようにって言われた。
その後は普通に飯食って、楽しく花火をして、夏を満喫したんだよ。
まぁ怖かったから、無理やり花火やって楽しもうとしてたんだけどね。忘れたかった。


281 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 03:06:08 ID:v636FY7y0
花火も終わり、お風呂も入ったし寝る事にしました。またオサーンに、「早く寝ろは…」って言われたし。
で、寝ようとしたんだけど、坊さんの言った事が気になって、なかなか眠れなかったんだよね。
俺が寝ている部屋は、ちょうど物置部屋の斜め隣なんだけどさ。
何でいつもは気にせず寝てるのに、流石にこの時ばかりはこの位置が気になって眠れないの。
そしたら急にコココココ…って、何かが小刻みに何かに当たってる音が、物置部屋のほうからからしだして、
人間の声が、壁のほうからボソボソって聞こえてくるんだよね。
それはどんどん増えていって、あちこちから聞こえきだすの。
もう今でもちゃんと覚えてる。

「腹…腹…」
「やんた…やんた…生きて…生きてぇ…」
「腹…は…」
「死にたぐね…やんた…」
「腹…腹…」
「やんた…やんた…やんた…」
「お寺さ…やんた…」
「水っこはやんた…も…」
「腹…水っこは…」
「取ってけっつぇ…死にたぐね…生きてぇ…」

って声があちこちから聞こえてくるの。もう怖くて怖くて仕方なかった。発狂しそうだった。


283 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 03:07:03 ID:v636FY7y0
けど、坊さんの言付けを守らなきゃって、頑張って自分に言い聞かせて、震えながら寝れずにじっとしてた。
声はやまなくて、どんどん増えていったんよ。
そしたら俺の寝ている部屋でも、何かがコココココ…て聞こえ出してさ、
さすがにそれには閉じていた眼を開けちゃって、その音の方向を見ちゃったんだよね。
そこにはさ、般若の刺繍(?)っていうか、そういった布で出来た飾りみたいなのが額縁に入れられてあるんだけど、
それが揺れてるんだよね。
しかも、その般若の刺繍の眼のとこが動いてるの。
さすがに、口を閉じたり閉めたりまではしてなかったとは思うんだけど、
般若の刺繍のとこらへんからも、同じ言葉が出てきてるんだよね。
「腹…腹…」「やんた…水っこは…」って。
たぶん、それ見て気絶してました。気づいたら朝だったし。

ちゃんとそれを爺ちゃんと坊さんに言って、お寺でまたお経をあげてもらいました。
坊さんは褒めてくれた。爺ちゃんも褒めてくれた。よく頑張ったなって。

何か長くなってしまい、イライラさせてしまいましたが、こんな感じです。
俺が確かに体験して、今でも帰省すると、その話を坊さんや爺ちゃんとします。
で、ちゃんと拝んで過ごしています。
取り合えず、ここで終わりますが、何か聞きたいことあったらどうぞよろしくです。

284 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 03:09:24 ID:0r575RnY0

ヤンタってどういう意味?


285 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 03:10:04 ID:v636FY7y0
>>284
「嫌だ」って意味の方言だよ。


294 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 03:15:25 ID:SWiTNqu70
海の上で見たものは、どのような関係があったの?


295 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 03:15:54 ID:DnLediVC0
107お疲れ様!待ったかいがあった
>>281
「水っこはやんた…も…」っていうのは、
槍で腹を刺した後、107が夜釣りに行ってた海に捨てられたってことかな?


299 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 03:19:23 ID:v636FY7y0
>>294
憶測でしかない&爺ちゃんから聞いた話もあるんだけどね、
海へ身投げした人もいたらしいから、たぶんそれかと。
海産物だけでは生きていけない証拠だよね…。
飢饉ってたぶん、俺の出身はマジで小さな沿岸地方の町だからね。
郷土史に載ってたりするのかね。気になる。


302 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 03:22:14 ID:o0WSmwhQ0
>>107氏
ほんと長文乙でした。
途中色々言われてたのに、最後まで投下してくれてよかった。

一緒に話を盗み聞いて夜釣りもしたいとこは、同じ現象に遭わなかったの?
あと、107がそういう目にあった直接の原因って、やっぱり話を聞いちゃったから?


303 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 03:28:43 ID:7TGCOLb50
飢餓で自殺ってあるのかね。
口減らしに、労働できない者を順に突き殺したのかな?


306 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 03:33:48 ID:v636FY7y0
>>302
うん、俺の書き方が悪かったからね。みんなに申し訳ない。
ちゃんと全部書いてから投下すればよかった。
けど、実際は怖かったんだよね…

いとこは、黒い人だかりみたいなのを、同じ時刻くらいに見たって言ってた。
俺の体験とは違うよ。部屋は別々にさせられるしね。

原因は分からないけど、話を聞いたって言うよりも、海で見ちゃったからじゃないかな?

>>303
それは定かではないけれど、あんまり考えたくないことだよね。
けどやっぱ自ら命を…みたいなのはあったらしいよ。
ウチの実家は本当に30年くらい前まで、『陸の孤島』って呼ばれてるような地域にあったとこだしね。
逃げ道も希望もないでしょうね…きっと。


309 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 03:38:40 ID:uJdklYgXO
>>107
途中で一回寝たけど気になって起きてきた。
KOEEEEE!!!
岩手の沿岸って…
俺の実家、K石なんだけど違うよな!?違うだろうけど

なんにせよ乙!


310 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 03:39:33 ID:DnLediVC0
>>107に質問
「腹…腹…」
「やんた…やんた…やんた…」
「お寺さ…やんた…」
「水っこはやんた…も…」
「腹…水っこは…」
「取ってけっつぇ…死にたぐね…生きてぇ…」

これって飢餓で苦しんでる場面?
それとも槍で自決してる場面?


311 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 03:40:21 ID:v636FY7y0
>>309
あはは、K石なんだ。違うから安心して。
K石はあそこらへんだったら進んでる町だからね。
今は道路が通って交通もよくなってるからね。


312 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 03:40:58 ID:o0WSmwhQ0
>>306
まあ色々言われても、逆切れもせずに質問まで受けてくれてるし、
今後書く時あったら、まとめてからすればいいだけの事だよ。あんまキニスンナー。

やっぱり、いとこにも現象は起こってたんだね。
大人達は襖が開いてて何か嫌な予感がするから、夜間外出を控えさせようとしてたんだろうね。
怖かっただろうけど、無事でよかったよね。


314 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 03:43:07 ID:v636FY7y0
>>310
わからないですよ、それは。
どっちなんだろうね。自決するなら槍を使わないとは思うんだけどね。
実際に槍を見せてもらう機会があったんだけど、錆びてて刃渡りは25cmくらいのものだったし。
あれで自殺するんなら、鎌とかで自殺した方が死にやすいとは思います。
けどね、槍の柄はないの。刃だけあるの。柄はどうしたんだろね。


316 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 03:46:19 ID:v636FY7y0
>>312
ありがとう。

いとこが言ってたのは、『黒い人だかり』ってさっき書いたんだけど、
部屋のあちこちに、黒い人らしきのがいたらしいよ。
いとこが寝ていた部屋は、10畳以上はある広い部屋。
襖が開いていたのは、その事実を知った俺らなんかよりも、実際は大人達の方が怖かったんじゃないかな。


318 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 03:50:56 ID:SWiTNqu70
大人たちの怖がりかたから言って、過去に何か起きてるようだけど、聞いてないんすか?
また、父親は悪ガキで、いったい何をやらかしたのかな?


319 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 03:54:26 ID:DnLediVC0
>>107=314
返答ありがとう
107は声だけしか聞いてないもんね。
ちょっと気になっちゃってレスしてしまいました。
柄は木で出来てたかなんかで、朽ちて腐り落ちたのかな。


320 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 03:55:21 ID:o0WSmwhQ0
>>316
恐ろしい・・・いとこもよく耐えたね。

確かにそうかも。
大人達は107のお父さんの時にも色々あったようだし、それがどれほど危ないものかわかってるわけだからね。
お婆ちゃん泣き出しておじさんテンパるくらいだから、相当恐ろしかったんだろうな~。


321 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 03:57:11 ID:v636FY7y0
>>313
大丈夫だよ、きっと。

>>318
うん、聞いたよ。そしたら話してくれなかった。
けどオヤジは、「襖あけた途端におんぶされた」って言ってたな。
アホオヤジ。まったくもって失礼な人です。尊敬はしてるけどね。


324 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 04:02:04 ID:v636FY7y0
>>319
いえいえ、いいんです。
柄はどうなったんだろうね。
しかも、何で刀ではなく槍だったのかも謎ですね…。

>>320
たぶん、過去にも色々あったんだろうね。
本家のすぐ裏にはね、右に入れる山道みたいなのがあるんだけど、
そこに小さい社みたいなのもあったり、
本家のすぐ隣、道路はさんで海が見下ろせる一族の小さなお墓群には、
かなり昔からのものと思われるお墓もあるよ。
よく無縁仏は拝んじゃいけないっていうけど、俺らはそういった無縁仏様にも拝んだりしてるよ、昔から。
俺らっていうか、あそこら辺の地域の人はみんなそうだと思う。


326 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 04:06:38 ID:ryQst+/k0
>>107
槍って、漁とかに使ってた物とは違うのかな?
農村なら、斧とか農耕具で自殺する方が手っ取り早いだろうけど、
漁村とかだったら、漁業に使う道具で自殺するのが自然なんじゃないかな?


327 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 04:10:19 ID:v636FY7y0
>>326
うん、違うと思うよ。
どちらかというと、漁業にパーセンテージが傾いているところだけどね。
槍らしきのは、漁業には使ってるのを見たことない。
しかも、飢饉とは言ってるけど、飢饉だったってのも定かではないし、
もっといっぱい人が死んだ悲しい出来事があったのは、有名な話だからね。
言い方悪いけど、飢饉&悲しい出来事のダブルパンチですね…。


335 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 04:47:41 ID:v9HnmDDf0
>>107
お、終わりか?
面白かったが最後の歯切れが悪い様な・・・

取り合えず、乙!
続きがあったらヨロ。


337 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 04:54:05 ID:v636FY7y0
>>335
うん、歯切れ悪いよねw
何ていうか、書いていてちょっと気分が悪くなっちゃって。
思い出しちゃったってのが強いね。忘れたくて始めたんだけど、やっぱ出来なかったね。

続きは一応あるよ。その後の。
怖くはないけどね。


341 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 05:10:07 ID:J/7ab3gW0
>>340
こんな時間だけど、続きを聞きたいんですが。
あとは、あなたの年齢もできれば。


342 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 05:12:19 ID:v636FY7y0
>>341
続きですか?本当に面白くもなんともないのですが…。
それでもよろしければ。

あと、俺の年齢は23歳です。サラリーマンです。


343 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 05:13:47 ID:7TGCOLb50
つか、坊さん。鏃は寺に持って帰れとwwwwww


347 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 05:33:13 ID:v636FY7y0
>>343
そう思うのですが、きっと、お寺に入れるともっと可愛そうなのでは、と思ったからではないでしょうか。
うちの本家、本当に見晴らしが良いんです。
あそこなら町を一望できますから、淋しくならないと思います。

では、続きを書かせてもらうね。

その後だけど、お経をあげてもらって、普通にお盆を過ごしました。
岩手県の夏は本当に綺麗で、この地域でそんな悲しい出来事があったなんて信じられないくらい。
けど、俺はやっぱり元気が出なくて、怖くて当分ビビって過ごしていました。夜がとにかく怖かった。
その度に、爺ちゃんやオサーンが「大丈夫だ」とは言ってくれたけど、やっぱどうしても怖かったんだよね。

けど、釣り好きだから、また懲りずに夜釣りへ出かけました。
坊さんからは、何か変なお守りらしきのを貰っていたし。
何て言えばいいのかな、木を本当に薄くスライスしたものみたいなのに、文字が書いてあるやつ。
確か三文字くらいだったかな。勿論、漢字。梵字ではなかったと思います。

夜釣りをしていると、あ、この時はオサーンも一緒です。爺ちゃんも一緒。
静かな海だったな。凪は落ち着いてて、ウミタナゴがよく釣れました。
爺ちゃんが釣りをしながら俺に話しかけてきたんだけど、
「どこらへんで○○を見たんだ?どのあたりだ?」って言ってきました。
○○の名前は思い出せない。人名ではなかった。何かモノの名前だと思う。
きっとそれは、立っていた人のことなんだろうけど、何だったかな。何か思い出せないの嫌だな。
俺は「あのあたり」って言って、海の真ん中あたりを指しました。
人差し指では注さずに、目線で以ってさした。
人差し指でさすとね、何かまた怖いこと起きるんじゃないかって思っちゃって。
完全にビビりですねw


349 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 05:40:51 ID:v636FY7y0
「そうか…」って爺ちゃんが言って、涙ぐんでました。
そんな爺ちゃんを見るのが初めてだったから、ビックリしたんだけど、
そこでオサーンが「いいからいいから…」って言って、無理やり俺に釣りを続けさせました。

釣りから帰ってくると、すぐに婆ちゃんから「早く盆棚に拝んできなさい」って言われて、盆棚に拝みに行ったの。
また夜で、怖かった。斜め隣がどうしても気になっちゃうんだよね。

父ちゃんが俺の隣に来て、昔の話をしてくれました。
父ちゃんが経験した話。前記したとは思うんですが、おんぶされたってやつね。


352 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 05:55:59 ID:v636FY7y0
「父ちゃんはいきなりな、誰かにピョンって飛び乗られたみたいに重くなってな。動けなくなってな。
 『腹っこ…腹…。取ってけっつぇ…』って言われたんだ。
 お前ももしかしたら、こういう言葉を聴いたかもしれないな。
 けどな、『それを怖いと思っちゃいけない』って爺ちゃんに言われたんだぞ。
 まあ無理だよな。確かに怖いしな。
 怖いかもしれないけど、ここの地域にそんな悲しい話があったんだ。
 それを覚えておけば、怖いとは思わなくなるさ」

今思うと、襖開けたくせによく言うわって感じなんだけどねw
しまりのない後日談はこんな感じです…

ちなみに、分かっている事は、飢饉があったという事。
さっき調べましたが、岩手県って冷害が結構あったらしいです。
東北地方の沿岸部は、季節風の『やませ』というのが吹きます。
それが続いて吹くと、農業も漁業もうまくいきませんので。
『やませ』は必ず毎年吹くものなのですが、度合いが違います。

また、飢饉以外にも、それを超える出来事がありました。
詳しく書くと地域を特定されてしまう為に省略しちゃうけど。
綺麗な自然とは対照的に、過去にはたくさん悲しいことがあった土地なんだよね。
その地域自体は大好きなところだけど。

あと、やたらと地域のつながりが強い。
意味不明な神事らしき事をよくしていた。
誰かが死んだらは絶対に魚、肉、ネギ類は食べない。

あんまり俺の体験とは関係ないかもだけどね。


353 :本当にあった怖い名無し:2005/10/10(月) 05:57:28 ID:7TGCOLb50
う~ん・・・。
やはり槍というものの性格上、自殺というのは考えにくいね。
しかも、1本の槍を使い回して多人数が自殺なんてありえない。
鏃が本家にあること、また「お寺さ…やんた…」という言葉から、
村の権力者と寺が何らかの取り決めを行い・・・と考えるのが自然かも。


355 :107 ◆h36IzogZBI :2005/10/10(月) 06:03:20 ID:v636FY7y0
>>353
それも突っ込んで聞いたことあるよ。
食いぶち減らしとかじゃなかったの?って。
そしたら、それだけは絶対にしない約束が昔からあったらしい。本当かはわからないけど。
むしろ本家は、その地域の人達とみんなで何とかしようとしてたらしいよ。
階級みたいなのはあくまで表面だけで、本家本家と言っても表面だけのものなの。

あと、ちなみに実際は、餓死が圧倒的に多かったらしいね。
海へ身投げや、刃物類自殺もあったにはあったらしいけど。


 
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