小学校5年の時です。
私はどうしても行きたい場所があって、自転車で10キロぐらい離れた場所へ行きました。
そこへ行くには、墓地の前を通ってトンネルをくぐらなければいけません。
音を聞いたのは、3回目の時です。
1、2回目はただ物凄い鳥肌が立っただけでした。




3回目行く時には、今までよりもすごい鳥肌が立ちました。
目的地から帰るとき、自転車に跨ったのですが…こげません。
ギアもあまり変えていないのに、なぜかチェーンが外れていたのです。
仕方なく私は自転車を押し歩いて帰ることにしました。
しばらく歩き、例のトンネルへ入りました。
周りは薄暗かったような気がします。
今思えば、時間と空の色が一致していなかったような…。


トンネルの中間地点まで歩くと、ガランとペットボトルを落としたような音が聞こえました。
「後ろに人がいるのかな」と振り返ってみますが、誰もいません。
気のせいかと歩き続けました。
すると、また音が聞こえたのです。
私は再び振り返りました。やっぱり誰もいません。
気味悪いなと思いながらも、まだトンネルの中で走りもせず歩いていました。
その音がなんなのか知りたくて、走らなかったのです。


自転車を押して歩く私。
音が止んだかと思ったら…

ガラン…ガラン…ガランガラン!!

やばい。
音がだんだん大きくなり、こちらに近づいて来ました。
今まで何度も振り返った私ですが、この時だけは振りからず走って逃げました。
音の正体を確かめるなんてことは、もう頭にありませんでした。
急いでトンネルを出て墓地を通り過ぎ、また私は帰り道を歩きました。
もう音はしませんでした。
音の正体は今でも気になります。


 
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