田舎の古い屋敷で壁3面ガラス張りの小さな和室(昭和初期に店舗だった部分)
に1人だった。長い廊下の突き当たりの座敷には祖母が安置されていた。
裏山には江戸時代からの一族の墓が並び、近くの公園には「城主ですがここで
虐殺してごめんなさい、かわりにお社を立てます、許してください」みたいな
木札が立っていた。窓にカーテンもないので、山の上からのサーチライトの光
が鏡張りの部屋に反射して、かなり怖かった。





廊下からひきずるような足音が聞こえてきた。親戚や客は屋敷の表側の座敷に
いるはずなのに、裏に間違えて入ってきたのか…?
しだいにその足音に共鳴してふすまがふわ~んふわ~んと波打ちだした。
さらにふすまの揺れが木枠、部屋全体の桟ガタガタ、ガラスが共鳴してビリビリ
部屋全体が揺れて舟の上みたいな感じだった。
足音は小部屋の前まできたが、また行きつ戻りつしながら消えるまでずいぶん
かかった。とても襖をあける勇気はでなかった…。


表屋敷にいた家族親戚に話すと、裏にいった人はだれもいなかった、この家には
野生のいたちが住んでいて歩き回る、台所から食べ物を盗んだり、箪笥にいたちが
入っていた事もあるので、不意に開けてはいけないとの事。
でも人間が歩いても部屋が波打ったりませんでした。
10年たっても、いたちのせいと納得がいかないんですが、みなさんいかがですか?



 
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