俺はもう開業しちゃったけど、勤務医
特に大学病院にいる医者は、当直バイトの収入が月収の半分近くになるため
医局と提携しているあちこちの病院を泊まり歩いている
 一応自分も科学者の端くれだと言う自負はあるんで、オカルト的なモノは一切信じてないんだけど
それでも、たまには首をかしげたくなる様な事に遭遇する事はあった





 お城の跡地に、200床位の精神科と内科(認知症メイン)病棟を建てた病院があって、そこは一人で全病棟を担当する
…とは言え、呼ばれるのは一晩に2、3回で、あとは寝てれば良い楽なバイト先だったんだが
呼ばれるとマスターキーを持ってその病棟に行き、指示を出したらまた施錠して帰ってくるシステムだった
 夜中の一時ぐらいに、精神科病棟で患者が暴れているって連絡が来て
鎮静の指示出して帰る途中
まっっったく意識しないまま、何故かマスターキーで外から霊安室の「シャッター」の鍵を開けていた

 シャッター上げて、懐中電灯の先に祭壇が見えてから我に返ったんだが
間違えるにしても、開けるなら横にあるドアの鍵だと思うし
何でわざわざシャッター開けて、しかもわざわざ上げたのか、いまだに自分でも理解出来ない


旧市街にある古い病院は、先輩達から「あそこは出る」って聞かされてたんだけど
楽な割にバイト代がそこそこ高くて、下っ端医局員の希望が集中していた
 俺自身そこで「見た」事は一度もないんだけど、行くたびに当直室にお香と言うか、線香の香りがするのね
 で、当直室に窓が無くて、電気を消すと真っ黒で何も見えない
 見えないんだけど、夜中寝てるとベッドの枕元に何かいる
よく「気配」って言うけど、環境音の反射でそこに何かあるのが判る事があるじゃん?
 間違いなく頭の横に何か立ってるってのが、2回ぐらいあった
オカルト信じてないくせに、怖くて起きられなかったけど


 
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