25年前くらいの話。
当時、1つ上の兄と私は探検ごっこが好きで、祖母の家の物置小屋を漁ったりしてた。
物置小屋と言っても、一軒家並みの大きさの木造建物で、広くて色々山積みされてたり、子供にとってはわくわくするような遊び場だった。
兄が開けた籠箱の中に和紙やら布やらにくるまれた状態でそれがあった。
パズルみたいな仕掛け箱みたいな感じの直径10センチくらいの。
祖母の家に戻って、兄がそれを振ると中に何か入ってるような音が聞こえたため、兄は開けようと夢中になった。






私は祖母に怒られるのではないかと思って、少し離れた位置に座って黙って見てた。
1時間ほど格闘の末、箱が開いたと言うか隙間が開いたのか何なのか、はっきりとは分からないんだけど、中から干からびた何かが出てきた。
畑から祖母が戻って来て、兄の手にあるそれを見て、凄い形相で何て言ってるのか分からないくらい怒鳴ったんだ。
そして祖母は箱を奪い取ると、そのまま物置小屋に走って行った。
しばらくして戻って来るなり「ちび(私)も見たのか?触ったのか?」と聞かれて、「うん」って答えたら兄と一緒に仏間に連れて行かれて、2時間くらいお経に付き合わされた。


その時は多分それで終わったと思う。
何しろ昔の話だから、覚えてるのはこれだけ。
ちなみに祖母は実の祖母じゃない。祖母は子供が出来ず、祖母の妹から母を養女として引き取った。
結構な土地持ちで、○○一族なんて言われてたような家らしいんだけど、祖母だけ子供が出来なかったんだと聞いた。

私は若い時に結婚して子供が出来たけど流産した。それが今と同じ夏だったから、何となく思い出した。今も子供はいない。
因果関係があるのか分からないし、あれがコトリバコなのかも分からない。
物置小屋は祖母が亡くなった時に取り壊して、中にあった物は色んな人が来て持って行ったから、どうなったのかも分からない。
ただ祖母は母にずっと「ちびはきっと私と同じだ。だから将来あんたのそばであんたの面倒見るのはちびだよ」と言ってたらしい。
亡くなる前に聞いておけば良かったよ。

思い出しちゃったんでとりあえず書いてみた。怖くなくてごめん。


 
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